2015/07/30親方、交代のお知らせ

親方、交代のお知らせ

 昭和四十九年(二十歳)、母の実家であり、自分が生まれた家を作業棟として移築建設。工房を構えて四十一年になります。

当初は、二、三人でやっておりましたが、昭和六十年、朝日酒造様の久保田ラベルが始まると、その発展に合わせながら、人員と作業棟を次から次へと増やして参りました。親の仕事を見て育ちましたが、小生は弟子入りをしたことがなく、常に失敗を先生にやってきましたので、劣等感の塊でもありました。従って、入ってくるスタッフが自分より良いものを持っているなら、自分が学ぶべきとも思っており、工房内に若手研究会なども推進しておりましたが、やがてその活動の中に、風土の紙から少しずつ離れていく場面も見受けられ、十二年前、生紙工房を建築計画の段に於いて、基本理念を据えないと、この工房は分離してしまうとの想いから「風土の紙を育てる」基本を据え、その中心となる人物が必要と考えるようになりました。小林康生は偉くはないが、門出和紙の親方は、尊重されなければなりません。

 以後、親方を十二年、息子、沙吾はまだ入社三年。とても親方は務まらないので、村田仙三君に親方を引き受けてもらいました。

 彼は群馬県出身、型染で人間国宝であった、故、芹沢銈介氏の最後の弟子でした。小生の弟と同じ四歳下で当工房にきて二十九年になります。苦楽を共にしてきた彼は完全な職人気質、お蔭で門出和紙の品質の維持が保たれてきたと思っております。頑な部分もありますが、心配りのできる人間です。村田仙三君をよろしくお願いいたします。

 小生も完全に身を引く訳ではなく、引き続き門出和紙の代表としては残りますので、併せてよろしくお願いいたします。

 

平成二十七年七月吉日

親方 村田仙三

代表 小林康生

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